人によって異なる基準

どうやら、多くの人にとって看護師は未だに白衣の天使のイメージが強いようです。そうあって欲しいという願望なのかもしれません。また、看護師を目指す多くの人も、そう考えてこの世界に入るのかもしれません。実際に、白衣の天使だと言えるような看護師が日本中にいっぱいいることも事実でしょう。しかし、彼ら看護スタッフを取り巻く環境は大きく変化しています。

クリミヤ戦争に従軍したナイチンゲールが、敵味方を区別せず戦場で献身的な治療を続けたことが、今も看護師を目指す人たちの原点だと言われています。しかし、実際の医療現場では専門性と細分化が進み、医師のみならず看護スタッフも常に最新の医療知識と治療に必要なスキルアップが求められています。この傾向は、ますます強まっているようです。また、多くの医療機関においても、専門性の高い知識とスキルを有する看護スタッフが必要とされています。その意味では、医師と同等の知識やスキルの向上が彼らの日々の課題になっています。過酷な医療現場において、それでも医療技術の進歩に合わせてたゆまぬ研鑽と努力が求められる看護師は、一体どれだけ激務となっているのでしょうか。

よく、良い看護師さんとは患者さんの心に寄り添うことが出来る人だという声が聞かれます。もちろん、気持ちが弱くなっている患者さんのケアを担当する病棟の看護スタッフにとって、患者に寄り添うことは極めて重要だと言えるでしょう。しかし、それはあくまでプロとしての知識やスキルを身につけたうえでのことです。その両方を兼ね備えたスーパー看護師を求めるのは、そう簡単にはいかないことです。